デッキサイトでキャンプするときに「どうやってテントを固定すればいいの?」「ペグが打てないけど大丈夫?」と悩んだことはありませんか?通常のキャンプサイトとは異なり、ウッドデッキの上ではペグを地面に打ち込むことができないため、テント設営には特殊な方法が必要になります。
専用のウッドデッキペグやパラコードなどの道具を上手に活用すれば、デッキサイトでも安定したテント設営が可能です。この記事では初心者の方でも迷わず実践できるデッキサイトでのテント張り方のコツから、テントタイプ別のセッティング方法、メリット・デメリットまで徹底解説します。

記事のポイント!
- デッキサイト専用ペグの正しい使い方と選び方がわかる
- テントタイプ別(自立型・ワンポール型)の設営方法の違いが理解できる
- デッキサイトでテント設営する際の工夫とコツが身につく
- デッキサイトキャンプのメリットとデメリットを把握できる
デッキサイトでテント張り方の基本と専用ペグの使い方
- デッキサイトとは平らな木製の設置面を持つキャンプスペース
- ウッドデッキ専用ペグの活用がテント固定の基本となる
- デッキの隙間を利用した固定方法が最も一般的
- パラコードやストレッチコードを使った補助固定も有効
- デッキサイト周辺の地面も活用すると安定感が増す
- 専用ペグがない場合の代用品と固定方法の工夫
デッキサイトとは平らな木製の設置面を持つキャンプスペース
デッキサイトとは、地面に直接テントを設営するのではなく、板状の建材でできたデッキが用意されたキャンプサイトのことです。簡単に言えば、スノコが敷き詰められて小上がりになったような形状をしています。多くのキャンプ場では木製のデッキを採用していますが、中には人工木材を使用している場所もあります。
デッキサイトの大きさは、キャンプ場によって異なります。独自調査の結果、さるびの温泉オートキャンプ場のデッキサイトは3m×4m、モンベル五ケ山ベースキャンプでは5m×7mとなっています。テントを設営する際は、使用するテントのサイズがデッキに収まるかどうか事前に確認することが重要です。
デッキサイトの特徴として、地面と違って凹凸がなく完全にフラットな面があります。これにより、テント内での快適性が高まり、特に就寝時には地面の凸凹を感じることなく快適に過ごせます。また、デッキは地面から少し高い位置にあるため、雨の日でも地面からの水の浸入を心配する必要がなく、比較的乾いた状態を保てるのもメリットです。
キャンプ場によっては、デッキサイト利用者向けに専用のペグが無料で貸し出されることもあります。例えば、モンベル五ケ山ベースキャンプでは、受付でウッドデッキ専用のペグを20本まで無料でレンタルできるサービスがあります。初めてデッキサイトを利用する方は、事前にキャンプ場に連絡して専用ペグの貸出の有無を確認しておくと安心です。
デッキサイトは一般的に数が限られており、特に人気のキャンプ場では予約が取りにくいことが多いようです。モンベル五ケ山ベースキャンプでは、デッキサイトは全体で3区画のみとなっていて、予約競争が激しい状況です。利用を検討している方は、早めの予約をおすすめします。
ウッドデッキ専用ペグの活用がテント固定の基本となる
デッキサイトでテントを張る際の最大の課題は、通常のペグ(杭)を地面に打ち込めないことです。そこで活躍するのが「ウッドデッキ専用ペグ」です。これは、デッキの板と板の間の隙間に差し込んで使用するペグで、一般的には「アンカーペグ」や「魚骨ペグ」とも呼ばれています。
ウッドデッキ専用ペグの構造は、多くの場合「カラビナ」「ペグ本体」「スプリング」の3つの部品から構成されています。材質については、カラビナとペグの部分は腐食に強いアルミニウム合金製、スプリングは柔軟性があり変形しにくいステンレス製が主流です。この組み合わせにより、軽量かつ耐久性の高いペグとなっています。
専用ペグの使い方は非常にシンプルです。まず、ウッドデッキの板と板の隙間に専用ペグの先端を差し込みます。次に、ペグを上から押さえつけてスプリングをいっぱいに縮め、その状態で90度回転させることで固定します。これだけで、ペグの上部をつかんで引っ張っても固定した位置から動くことはなく、スプリングが板とペグをしっかりと固定してくれます。
重要なポイントとして、ウッドデッキ専用ペグを使用する際は、デッキの隙間の幅や板の厚みを事前に確認する必要があります。製品によって対応するサイズが異なるため、購入前にキャンプ場に確認するか、レビューなどで情報を集めておくことをおすすめします。一般的に、3mm以上の隙間があれば使用可能な製品が多いようです。
作業時の注意点として、専用ペグを取り付ける際には素手での作業よりも、作業用手袋を着用することをおすすめします。デッキの隙間の幅によっては意外と力が必要で、素手だと指先を痛める恐れがあるためです。安全に配慮しながら作業を進めましょう。
デッキの隙間を利用した固定方法が最も一般的
デッキサイトでのテント設営では、デッキの隙間を利用した固定方法が最も一般的かつ効果的です。先述したウッドデッキ専用ペグの他にも、デッキの構造を活かした様々な固定方法があります。
多くのデッキサイトには、テント固定用の丸環や金具が設置されています。例えば、さるびの温泉 SOUZONE Spa Camp Fieldのデッキには、サイドに丸環が付いています。この丸環に対して、テントのガイロープを引っ掛けて自在金具で締めることで、地面にペグダウンするのと同じようにテンションをかけることができます。
デッキサイトによっては、特定の位置に専用の固定ポイントが設けられているケースもあります。炭焼の杜 明ヶ島キャンプ場では、デッキ外周の所々に固定のための器具が設置されており、細引きなどで調節して使用できるようになっています。このような固定ポイントがある場合は、積極的に活用するとテントの安定性が大幅に向上します。
デッキ上にテントを固定する際の注意点として、デッキの板の隙間が均等ではない場合があります。モンベル五ケ山ベースキャンプのデッキサイトでは、隙間が均一ではないため、持参したペグが90度回せない箇所もあるという報告があります。そのような場合は、場所を変えるか、キャンプ場でレンタルできるペグの使用を検討すると良いでしょう。
さらに、一部のデッキサイトでは、デッキの角や端に設けられた専用のフックやループを利用できることもあります。これらはテントの固定ポイントとして非常に便利ですが、利用可能かどうかはキャンプ場によって異なるため、事前の確認が必要です。いずれにしても、デッキの構造をよく観察し、固定に活用できる要素を見つけることが、安定したテント設営のポイントになります。

パラコードやストレッチコードを使った補助固定も有効
デッキサイト専用ペグに加えて、パラコードやストレッチコードを活用することで、テントの固定をさらに強化できます。これらの補助固定具は、特に風の強い日や大きめのテントを設営する際に非常に役立ちます。
パラコードは軽量で強度があり、長さの調整も容易なため、デッキサイトでのテント設営に最適です。通常、直径4mmほどのパラコードが使いやすく、反射材が織り込まれたタイプを選べば、夜間の視認性も向上します。パラコードを使用する場合は、デッキの固定ポイントやデッキ周辺の地面に打ち込んだペグに結びつけて、テントにテンションをかけます。
ストレッチコードは、伸縮性があり、テントに均等にテンションをかけられる特性があります。コールマンの「ピン&リングフック」やロゴスの「ガイラインアダプター」などの商品があり、ペグとテントの間に取り付けることで、風による揺れを吸収する効果も期待できます。特にデッキサイトでは、地面よりも風の影響を受けやすいため、このような衝撃吸収材の役割を果たす器具は重宝します。
さらに、小川張りセッティングテープなどの延長ベルトも便利なアイテムです。デッキサイトでテントを設営する際、固定ポイントがテントから離れている場合や、デッキ外の地面にペグダウンする必要がある場合に活用できます。これらのテープは、テントのループやガイラインを延長するのに最適で、コールマンの「エクステンションウェビィングキット」などの製品があります。
特にワンポールテントなど、複数のポイントでしっかりと固定する必要があるテントの場合、こうした補助固定具の組み合わせが重要になります。パラコードで大まかなテンションを調整し、ストレッチコードで微調整するなど、状況に応じた使い分けを工夫すると、より安定した設営が可能になります。
なお、これらの補助固定具は比較的リーズナブルに購入できますので、デッキサイトでのキャンプを考えている方は、専用ペグと合わせて準備しておくことをおすすめします。様々な状況に対応できるよう、複数の固定方法を用意しておくと安心です。
デッキサイト周辺の地面も活用すると安定感が増す
デッキサイト上だけでなく、周辺の地面も活用することで、テントの安定性が格段に向上します。特に大型テントやタープを設営する場合、デッキだけでは十分なスペースや固定ポイントが確保できないことがあります。
デッキから張り出したガイロープは、デッキ周辺の地面に通常のペグを打ち込んで固定するのが一般的です。例えば、「ツインピルツフォークT/C」のようなワンポール型テントを設営する場合、ガイロープはデッキ外の芝生部分にしっかりペグダウンする必要があります。デッキだけで完結させるのは難しいため、周辺の地面の使用を前提に設営を計画するとスムーズです。
タープを設営する際も同様で、タープポールを立てる位置はデッキより外側の方が良いケースが多いです。これは、デッキ上で火を使った調理をするのが禁止されているキャンプ場も多く、タープ下のスペースを料理や焚き火などに活用するためです。炭焼の杜 明ヶ島キャンプ場では「焚火は禁止(焚き火台の使用はOK)」というルールがあり、デッキ下のスペースで焚き火台を使用することが推奨されています。
デッキと地面の境界部分には段差があるため、この部分の処理も重要です。テントの一部がデッキから地面にはみ出す配置になる場合は、段差による負荷がテント生地にかからないよう、適切な位置でぴったりと固定するか、補強材を使って段差を和らげる工夫が必要です。
また、デッキサイトによっては、デッキ下に収納スペースやタープの設営スペースが確保されている場合もあります。大野城いこいの森のデッキテントサイトでは「焚き火、BBQなどはウッドデッキ下の地面でのご利用になります」と案内されています。このようなスペースを有効活用することで、限られたデッキ上のスペースを居住エリアとして快適に使うことができます。
周辺環境をトータルで活用することが、デッキサイトでの快適なキャンプの鍵と言えるでしょう。
専用ペグがない場合の代用品と固定方法の工夫
ウッドデッキ専用ペグを持っていない場合や、急に必要になった場合でも工夫次第でテントの固定は可能です。ここでは様々な代用品と固定方法の工夫をご紹介します。
最も簡単な方法は「重石」の活用です。多くのキャンプ場では重石用のウェイトが用意されている場合があります。例えば、炭焼の杜 明ヶ島キャンプ場では各デッキに数個のウェイトが用意されており、テントのテンションを張りたいポイントに配置して使用できます。自前で重石を用意する場合は、水を入れたペットボトルや、テーブルやクーラーボックスなどの重いキャンプギアを活用する方法もあります。
デッキの構造を利用した固定方法として、デッキの枠や柱、手すりなどにロープを巻き付ける方法があります。特にデッキの角や端は固定ポイントとして活用しやすく、パラコードやバンジーコードなどを使って結びつけることができます。ただし、過度に締め付けるとデッキ自体を傷める可能性があるため、適度な力加減が重要です。
100均などで入手できる「Sカン」や「カラビナ」も便利な代用品となります。これらを使えば、デッキの隙間や端に引っかけて即席の固定ポイントを作ることができます。また、強力なクリップタイプの洗濯バサミなども応用が効き、薄いデッキの端に挟むことで固定ポイントになります。
さらに独自の工夫として、「自作の木製アンカー」を準備する方法もあります。これは単純な構造で、デッキの隙間に挿し込める横幅の細い板と、それより大きな板を組み合わせたT字型の器具です。隙間に挿し込んで90度回転させれば、専用ペグと同様の効果が得られます。DIYが得意な方なら、キャンプに行く前に自作してみるのも一案です。
なお、デッキへの直接的な打ち込みや釘打ちは絶対に避けるべきです。炭焼の杜 明ヶ島キャンプ場では「デッキや生木にペグや釘を打つことを禁止します」と明記されています。施設の破損につながるだけでなく、次に利用する人の安全も脅かす恐れがあります。
どの方法を選ぶにしても、風の強さなど気象条件に応じて複数の固定方法を組み合わせることが安全なテント設営のポイントです。自然の力をあなどらず、万全の準備で快適なデッキサイトキャンプを楽しみましょう。

デッキサイトでテント張り方の種類別ガイドとポイント
- デッキサイトで自立型テントを設営する方法は比較的簡単
- ワンポールテントのデッキサイト設営にはコツが必要
- テントの種類によって固定方法を使い分けるのがコツ
- デッキサイトでのテント設営に必要な準備物リスト
- デッキサイトのメリットは清潔さと足場の安定性
- ウッドデッキでテント設営するときの注意点と対策
- まとめ:デッキサイトでテント張り方のポイントを実践しよう
デッキサイトで自立型テントを設営する方法は比較的簡単
自立型テント(ドーム型テントなど)は、フレームの支えによってテント自体が立つ構造のため、デッキサイト上での設営は比較的簡単です。通常の地面への設営と比べても、大きな違いはなく初心者でも取り組みやすいでしょう。
自立型テントの最大の特徴は、ペグを使わなくてもテント自体が形を保てる点です。フレームを組み立ててテントの骨格を作れば、それだけでテントは自立します。ただし、風が吹くと飛ばされる可能性があるため、デッキサイトでも何らかの方法で固定することが推奨されます。
デッキサイト上での自立型テントの固定方法は、基本的にはテントの四隅やガイラインのループにウッドデッキ専用ペグを取り付けるだけです。専用ペグがない場合は、テント内に重い荷物を入れて重しとする方法も有効です。モンベル五ケ山ベースキャンプのような場所では、レンタルのウッドデッキ用ペグを使用することもできます。
自立型テントの中でも、特にファミリー向けの大型テント(2ルームテントなど)をデッキサイトに設営する場合は、デッキのサイズとテントのサイズを事前に確認することが重要です。モンベル五ケ山ベースキャンプのデッキサイト(5m×7m)であれば、「ランドロック」(625×405cm)や「エントリー2ルームエルフィールド」(600×380cm)などのファミリーテントも収まる可能性がありますが、余裕を持ったスペースではなくなります。
ドーム型テントの場合、設営手順は通常と同様に進めることができます。まずフレームを組み立て、テントの形を整えた後、各ループやガイラインを固定します。デッキサイトならではのポイントとしては、テントの底面とデッキの間に小さな隙間ができることがあり、これが風の通り道になることがあります。特に寒い季節は、この隙間から冷気が入り込む可能性もあるため、テントとデッキの間にグランドシートを敷くなどの対策も検討すると良いでしょう。
自立型テントはデッキサイトとの相性が良いと言えるため、デッキサイト初心者の方にはまずこのタイプのテントから始めることをおすすめします。
ワンポールテントのデッキサイト設営にはコツが必要
ワンポールテント(カマボコテントなど)は、中央の1本または複数のポールを支えに、テントの四隅やガイラインをペグダウンして張る構造になっています。このタイプのテントはデッキサイトでの設営に特別なコツが必要になります。
ワンポールテントの最大の課題は、テント自体が自立しない点にあります。通常の地面であれば、テントの四隅を順番にペグダウンして形を整えていきますが、デッキサイトではペグが打てないため、別の方法で固定する必要があります。
デッキサイトでワンポールテントを設営する基本的な流れとしては、まずテントを広げ、各コーナーやガイライン用のループにウッドデッキ専用ペグを取り付けます。この時点ではまだポールを立てず、四隅をしっかりと固定することが重要です。専用ペグがない場合は、重石を使ったり、デッキの端や柱にロープを結んだりする方法も有効です。
四隅の固定が済んだら、次にポールを立てていきます。ポールを立てる際は、できるだけ誰かに手伝ってもらうと作業がスムーズに進みます。ポールを立てた後、テントにある程度の形ができたら、ガイラインを張って形を整えます。ガイラインの固定には、デッキの周囲にある固定ポイントを活用するか、デッキ外の地面にペグを打ち込む方法が一般的です。
biwo-campの記事によると、モンベル五ケ山ベースキャンプのデッキサイトにワンポールテント「ツインピルツフォークT/C」(幅630cm×奥行355cm)を設営した例があります。このケースでは、ガイロープをデッキ外の芝生部分にしっかりペグダウンすることで、安定した設営が可能だったとのことです。
ワンポールテントの設営では、テンションのバランスを均等に保つことが特に重要です。片側だけが強く引っ張られると、テントの形が崩れたり、ポールが曲がったりする恐れがあります。専用ペグの位置や、ガイラインの張り具合をこまめに調整して、理想的な形に整えていきましょう。
初めてデッキサイトでワンポールテントを設営する場合は、事前に家でイメージトレーニングをしておくことや、余裕を持ったスケジュールで臨むことをおすすめします。経験を積めば、デッキサイトならではの設営のコツをつかめるようになるでしょう。
テントの種類によって固定方法を使い分けるのがコツ
デッキサイトでのテント設営では、テントの種類に応じて適切な固定方法を選ぶことが成功の鍵です。テントにはさまざまな形状・サイズがあり、それぞれに適した固定方法が異なります。
ドーム型やトンネル型などの「フレーム型テント」では、フレームの剛性によってテント自体がある程度自立するため、各コーナーとガイラインの主要ポイントだけをしっかり固定すれば十分な場合が多いです。これらのテントでは、ウッドデッキ専用ペグを使って4〜6か所を固定し、強風が予想される場合は追加でガイラインを張るといった手順が効果的です。
一方、「ワンポール型テント」や「ティピー型テント」は、通常多くのポイントでペグダウンすることで形状を保ちます。これらのテントをデッキサイトに設営する場合は、デッキの周囲に数多くの固定ポイントが必要となります。デッキサイト周辺の地面を活用したり、デッキの構造物(手すりや柱など)を利用したりして、複数の方向からテンションをかけることが重要です。
大型の「2ルームテント」や「リビングシェル」では、広い面積を確保する必要があるため、デッキのサイズとの兼ね合いが重要になります。これらのテントは風の影響を受けやすいため、可能な限り多くの固定ポイントを設け、デッキの四辺を均等に使って安定性を高めましょう。特にデッキから張り出す部分がある場合は、その部分を地面にしっかりペグダウンすることが必須です。
キャンプ場によっては、特定のテントとデッキサイトの相性が良い場合もあります。例えば、さるびの温泉オートキャンプ場では3m×4mのデッキサイトにスノーピークのロッジがジャストサイズで設置できるとの情報があります。デッキのサイズと自分のテントのサイズを事前に比較し、適切な配置を計画しておくことが大切です。
テントの組み立て・固定が難しい状況では、デッキ専用ペグの配置を工夫したり、ロープの取り回しを調整したりするなど、臨機応変な対応も重要です。デッキサイトでは「現場対応力」がテスト問題のようです。コンドーー家のブログには「その場その場に合わせてサイトを作っていくのもキャンプの醍醐味」と書かれています。この言葉を胸に、柔軟な発想で設営に取り組みましょう。

デッキサイトでのテント設営に必要な準備物リスト
デッキサイトでテント設営を成功させるには、適切な準備が欠かせません。ここでは、デッキサイト特有の必需品と、あると便利なアイテムをリストアップします。
【必需品】
- ウッドデッキ専用ペグ – デッキの隙間に差し込んでテントを固定するための専用ペグ。一般的には6〜10本程度あれば十分ですが、テントのサイズや形状によって必要数は変わります。TRIWONDER、NACETURE、Eco Ride Worldなどのブランドから販売されています。
- パラコード/ガイロープ – テントの固定やテンション調整に使用します。直径4mm前後の反射材入りのものが視認性が高く使いやすいでしょう。長さは5m程度のものを複数本用意しておくと安心です。
- 自在金具 – ロープの長さや張力を調整するための金具です。専用ペグとセットで販売されている場合もありますが、予備として数個持っておくと便利です。
- 作業用手袋 – 専用ペグの取り付けや調整作業で指を保護するために必要です。デッキの隙間は予想以上に狭かったり、ペグの操作に力が必要だったりするため、手袋があると安全に作業できます。
【あると便利なアイテム】
- ストレッチコード/バンジーコード – 弾力性があり、テントにかかる風の力を分散する効果があります。コールマンの「ピン&リングフック」やロゴスの「ガイラインアダプター」などの商品があります。
- 延長ベルト/セッティングテープ – デッキの固定ポイントとテントの距離が離れている場合に便利です。小川張りセッティングテープやコールマンのエクステンションウェビィングキットなどがあります。
- 携帯用ブラシ – デッキ上の砂や土を取り除くために使用します。100均で購入できる小型のブラシで十分です。デッキを清潔に保つことで、テント内の快適性も向上します。
- ウェイト/重石 – 専用ペグが使えない場所や、追加の固定が必要な場合に活用します。水を入れたペットボトルなど、現地で調達することも可能です。
- カラビナ – 様々な場所に引っかけてロープを固定するのに役立ちます。小型で軽量のものを数個持っておくと重宝します。
- グランドシート/インナーマット – テントの底面とデッキの間に敷くことで、木の冷たさを遮断したり、テント底面の保護になります。特に冬季は必須アイテムです。
- 多機能ツール/ナイフ – 予期せぬトラブルに対応するために持っておくと安心です。ロープのカットやその場での応急修理などに活用できます。
- テープ類(ガムテープ、養生テープなど) – 急な修理や固定の補強に役立ちます。風の強い日などに、テントの一部を仮固定するのにも使えます。
これらのアイテムをコンパクトにまとめて持参すれば、様々な状況にも対応できるでしょう。また、キャンプ場によっては専用ペグのレンタルサービスを行っているところもあるので、事前に確認しておくと荷物を減らせる可能性もあります。
デッキサイトのメリットは清潔さと足場の安定性
デッキサイトでのキャンプには、通常の地面サイトとは異なる独自のメリットがあります。その中でも特に注目されるのが「清潔さ」と「足場の安定性」です。
デッキサイトの最大の魅力は、土に直接接触しないため汚れにくい点です。通常の地面サイトでは、テントを設営すると底面が土や砂で汚れ、雨が降るとさらに泥で汚れやすくなります。しかし、デッキサイトではテントが直接地面に接触しないため、テント底面の汚れを大幅に軽減できます。これは、テント撤収後のお手入れの手間を省くことにもつながります。
また、デッキサイトは完全にフラットな面が確保されているため、居住性が大幅に向上します。地面サイトでは、小石や根、凹凸などがあり、寝心地や移動のしやすさに影響することがありますが、デッキサイトならそのような心配はありません。特に就寝時の快適さは格段に向上し、マットやエアベッドの使用感も地面よりも安定します。テーブルやストーブなどの道具も水平を保ちやすく、料理や食事などのキャンプアクティビティをより楽しめます。
雨天時のメリットも見逃せません。地面サイトでは雨が降ると地面がぬかるみ、テント内に水が染み込んでくる心配がありますが、デッキサイトでは水はけが良く、テント内が濡れる心配が少ないです。biwo-campのレポートによると、「この日は少し雨が降りましたが、テント内に水が溜まる心配はありませんでした。地面サイトに比べて雨水の影響を受けにくいのも魅力です」とのことです。
冷気や湿気の影響も少ないのもポイントです。地面からの冷気や湿気は、特に冬のキャンプでは大きな問題となりますが、デッキサイトでは地面から少し浮いた状態になるため、これらの影響を抑えられます。biwo-campのレポートでは「地面からの冷気や湿気をほとんど感じないため、冬の寒い季節には特におすすめです」と評価されています。
さらに、設営・撤収作業の利便性も大きなメリットです。デッキサイトでは、荷物の置き場に困ることが少なく、荷下ろしや積み込みを効率的に行えます。地面が乾いた状態を保っているため、作業中に道具が濡れたり汚れたりする心配も少なくなります。
デッキサイトの「床」としての性質を活かすことで、通常のキャンプよりもさらに快適な時間を過ごせることが、多くのキャンパーがデッキサイトを選ぶ理由となっています。
ウッドデッキでテント設営するときの注意点と対策
デッキサイトでのキャンプには多くのメリットがありますが、同時にいくつかの注意点もあります。これらを事前に把握し、適切に対策することで、より快適なデッキサイトキャンプを楽しめるでしょう。
まず、デッキサイトでは風の影響を受けやすい点に注意が必要です。地面より高い位置にあるため、風をより強く受ける傾向があります。biwo-campのレポートによると「風向きを確認しながら設営を進めることで、安全性と快適さが格段に向上します」とあるように、設営時には風向きを考慮し、ガイロープやペグダウンは初めにしっかり行うことが重要です。特に強風が予想される場合は、通常よりも多くの固定ポイントを設け、テントの形状を維持するよう心がけましょう。
次に、デッキの特性や制限を理解することも重要です。多くのキャンプ場では、デッキに直接釘やネジを打ち込むことは禁止されています。炭焼の杜 明ヶ島キャンプ場では、「デッキや生木にペグや釘を打つことを禁止します」と明記されています。施設を傷つけないよう、専用ペグやロープを使用した固定方法を遵守しましょう。
デッキサイトは通常、限られたサイズしかありません。テントがデッキからはみ出す場合、段差による負荷がテント生地にかかり、破損の原因になることがあります。事前にデッキのサイズとテントのサイズを確認し、適切な配置を計画することが大切です。モンベル五ケ山ベースキャンプのデッキサイトは5m×7mですが、これよりも大きなテントを設営する場合は、デッキから張り出す部分をどう処理するか考慮する必要があります。
砂や泥の持ち込みにも注意が必要です。デッキサイトでは地面に直接接触しないためテントは汚れにくいですが、靴についた砂や泥がデッキ上に持ち込まれるとテント内も汚れやすくなります。biwo-campのレポートでは「携帯用のブラシ(100均)があると便利です。デッキ上を清潔に保ち、快適に過ごすための心強いアイテムです」と紹介されています。定期的な掃除を心がけ、できればテント入口に小さなマットを敷くなどの工夫も有効です。
また、多くのキャンプ場ではデッキ上での焚き火やBBQが禁止されています。これはデッキへの火災リスクを防ぐためです。炭焼の杜 明ヶ島キャンプ場では「焚火は禁止(焚き火台の使用はOK)」というルールがあり、焚き火台を使用する際も「火の粉や燃えカスなどが、ウッドデッキの下に落ちぬよう注意してご使用ください」と注意喚起されています。各キャンプ場のルールを確認し、指定された場所で火気を使用するようにしましょう。
最後に、デッキサイトは一般的に数が限られており、予約が取りにくいことが多いです。モンベル五ケ山ベースキャンプではわずか3区画しかないため、計画的な予約が必須です。利用を検討している方は、早めの予約をおすすめします。

まとめ:デッキサイトでテント張り方のポイントを実践しよう
最後に記事のポイントをまとめます。
- デッキサイトとは木材や人工木でできた平らな設置面を持つキャンプスペースである
- テント設営には専用のウッドデッキペグが基本となる
- ウッドデッキ専用ペグは隙間に差し込み90度回転させて使用する
- テントのタイプによって固定方法が異なり、自立型は比較的簡単に設営できる
- ワンポールテントなどの非自立型は複数の固定ポイントが必要になる
- デッキの隙間や丸環、固定用の金具を活用するとテント設営が安定する
- パラコードやストレッチコードを補助固定具として活用すると効果的
- デッキサイト周辺の地面も活用すると安定性が増す
- 専用ペグがない場合は重石や既存の構造物を利用して代用できる
- デッキサイトの最大のメリットは清潔さと足場の安定性である
- 風の影響を受けやすいため、しっかりした固定が必要
- 多くのキャンプ場ではデッキ上での焚き火やBBQが禁止されている
- 事前にデッキのサイズとテントのサイズの確認が重要
- ペグを打ち込むなどデッキを傷つける行為は厳禁
- 砂や泥の持ち込みに注意し、定期的な掃除が快適さを保つポイント